鑑定団

今日放送の鑑定団
北京で購入したという琺瑯彩の九桃天球瓶が出て、現代の景徳鎮作の工芸品というコメントでしたが、あれは北京の骨董店で購入という背景やあまりに稚拙な絵付けからして、景徳鎮ではなく、北京で伝統工芸品として有名な北京倣古磁器と思いましたがどうでしょう。
北京市はこの手の伝統的なコピー品をすでに認知していて、書籍まで出ています。
にしてもレベルは相当低いので初期の北京粉彩でもないかもしれませんが・・・
現代景徳鎮のコピーレベルは、もっとずっと高度で一見して分かるような稚拙なものはもっとほかの場所のコピー村の作だと思います。
これも実物を見ていないので感想の域を出ませんが。

最近の北京倣古磁器

値段も高いしできも良い(インターネットから)

銷往欧洲的宜興茶壼

いつもお世話になっているネット書店の書虫さんを見ていたら、Yixing teapots for europeの中国語版が出ていました。原本は前半がフランス語、後半が英語という二部構成でしたが、ヨーロッパ外銷宜興の全体が理解できるきわめて重要な書籍です。原本は現在入手不可能で古書だと700ドルくらいのプレミアがついているようです。また中国語の方が得意という方にはおすすめです。

 

(写真は書虫さんから)

贋作トレンド 注意喚起

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これは巧妙な贋作

宜興紫砂といえば昔から高度な贋作との闘いです。
最近なかなか凝ったはめ込みがあるので注意喚起を

大陸で出る図録が贋物の伏線になってます。昔から図録は紫砂に限らず重要な教材ですが、最近はめ込み目的としか思えない図録が大陸で結構でてます。
こういう仕掛け

まず図録がもっともらしく明清紫砂なんちゃら・・・なんて上梓されます。
私は見たことがないので買います。結構高いし、有名な出版社。
家に帰って見ると違和感ばりばり。業界用語でいう懐に入らないものばかり。
ここまでは許せます。眼が効かないね・・・ですみます。
ところがこれの原件がオークションに出るんです。
ここまでくると最初からはめ込みかい!となります。

また文革時代顧景舟が毛沢東バッチをメダリオンにした朱泥というか大紅包泥の作品集図録があります。宜興製品を香港台湾製と言わないと店が壊された時代に底款に顧景舟なんて落款を入れたら本当に三角帽子です。
私の知識と理解ではありえないです。実はうちに一刻あって非公開です。

それから許せないのが早期水平壺の贋作。型出し量産なので簡単。ここに宜興惠孟臣てハンコを押すとたちまち10万円の早期壺になっちゃう。

紫砂の図録は顧景舟が編んだものと、初期の台湾図録。故宮の図録、雑誌あとは無視しましょう。