宜興紫砂工芸厰(老一廠) その5 1955年

(インターネットから)

 

1954年10月
中国美術家協会が、大型松鼠葡萄茶具,竹春茶具,合菱茶具,供春茶具,二節竹段茶具など当時で7000元相当の茶具をオーダーし、裴石民,呉雲根,朱可心,施馥森,范正根,邵六大,范祖德らが製作を担当しました。

1955年
10月に26名の従業員を採用し“宜興紫砂工芸学習班”を組織。これを四グループ構成としました。朱可心,顧景舟,王寅春,呉雲根らが指導にあたり、加えて宜興県政府専門研究チームの美術教師呉汝連が美術担当、政治担当は朱可心が兼務しました。朱可心はその後も熱心に政治活動をおこない、100年記念作品集では政治関係の身分証がかなり掲載されています。。

朱可心チーム
潘春芳,鮑新元,史志鹏,李芹仙,李碧芳,倪順生,曹婉芬,呉慶安。
顧景舟チーム
李昌鴻,高海庚,沈遽華,単淑芳,鮑秀云。徐漢棠,鮑国勋
王寅春チーム
高洪英,陳小庚,葛岳彬,江宏大,吉德宝,鮑赛芬,方立品
呉雲根チーム
史玉琴,何挺初,許慈媛,范洪泉,王月仙,謝楽仙,呉欣南

チームメンバーは皆現在では大師級の作家になっています。面白いのはこの時の師弟関係により現在の作風がなりたっていることです。

産量は年間75万件(1949年の2.13倍)年売上高11.7万元(1949年の3.3倍)

宜興紫砂工芸厰(老一廠)その4 1953ー54年

1953年9月華東地区民間工芸美術工芸品閲覧会に出品し、裴石民の“上松段”茶具が優秀獎を獲得しました。国家軽工業部北京労動人民文化宮主催の全国工芸美術展覧会にも出品しています。

1954年
海外市場拡大を目指した「鼎蜀陶器购销社」という販売会社も創業。

10月に朱可心,裴石民,呉雲根,施福生,範正根,邵六大,范祖德ら七人により湯渡生産合作社の下部組織として紫砂工場を設立。
その後顧景舟も湯渡陶業生産合作社紫砂生産工場に参加しています。

 

また紫砂生産工廠設立メンバーは朱可心,任淦庭,裴石民,呉雲根,王寅春,顧景舟,蔣蓉,呉純耿で各々小集団を率い技術指導にあたったという資料もあります。諸説あるのは文書資料がほとんど整理されて無く、普通に日本ならある社史的なものもなく、当時の関係者からの聞き取りのためだそうです。
いずれにせよ個人作家を積極的に合作社に招聘していたのは事実で、短期間でメンバーは130人程度になり、内外に販売を開始しています。

 

(本投稿は書籍その他資料を総合して書いています。)

インスタグラム

初めて1ヶ月くらいなんですが、フォローしてくれる方もぼちぼち増えてありがたいのですが、ほとんど海外の方のようで、止むを得ず今年からコメントを英語併記にしました。こちらは状況が良くわかりませんが、必要なら英語併記にします。

良いお年を

みなさま良いお年をお迎え下さい。
インスタグラムもよろしくお願いします。

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写真はプリンせホフミュージアム(インターネットから)

宜興紫砂工芸廠(老一廠)その2 一廠以前

一廠以前にその母体とも言える合作工房ができます。

(インターネットから)

■1952 年二月 湯渡陶業生産合作社設立

裴石民、呉雲根、朱可心、施福生、範正根、邵六大、范祖德ら七人が紫砂工房を設立し,この工房が湯渡陶業生産合作社に属したため,「宜興湯渡陶業生産合作社」の落款を用いました。印款は楷書で「宜興湯渡陶業生産合作社出品」。上段に「宜興」中に「湯渡陶業生産合作社」下段に「出品」字款というデザイン。

 

■1954 年末から1955 年

(インターネットから)

宜興蜀山陶業生産合作社の落款。

「宜興蜀山陶業生産合作社」を設立。当初「宜興湯渡陶業生産合作社出品」の印款をそのまま使用。半年後に「宜興蜀山陶業生産合作社出品」の落款に変わる。 1958 年四月の老一廠設立まで使用されました。

結構レアでうちにはありません。最近市場に出るものはほとんどがレプリカで収集は難しいと思います。

タイペイ博物館の写真 その2

前スレでも書きましたが
台湾博物館写真撮影がOKで、先週歴博に一日。故宮に2日かけて宝石玉など小物とともに陶磁器を中心にROWモードで800カット撮ってきました。故宮博物院は青磁特別展をやっていて、前回の汝窯特集より汝窯はもとより圧倒的に南宋官窯がおおく、鑑賞と撮影で疲れ果てました。

チナ ROWモードは記録をドットバイドット無圧縮。1800万ピクセルがそのまま無圧縮で録画されます。容量は25gb

某ミラーレス一眼なのですが電池に根性なく3回取り替えました。

フラッシュ不可はいいとしてガラスに自分か写りこむのが嫌で正面水平とか無視。

そのため水平や構図がむちゃくちゃ、絞りは絞ったけど背景の人をぼかすとか結構な工程。

これから800カットのROWモードの水平や構図編集と1200ピクセルのJPEGに落とす作業にかかります。

現時点で申し訳ないけど情報量は公式図録をはるかに凌駕してます。自己満足というか手持ち資料です。

ただネットで晒せないのが残念です。

 

 

朗報 台北の博物館 カメラ

台湾の博物館は、おそらく政権交代の関係で、フラッシュを使用しなければ写真撮影がOKになりました。歴史博物館はおそらく初めて。国立故宮博物院もほぼ10年ぶりくらいで写真撮影OK復活。
しかも一部書画もOK。(国宝級は不可)
昔の低解像度でとったものを更新できます。
また、台湾ビザの発給を制限しているため、あの怒濤の大陸観光団がほぼゼロ。昔の静かな故宮博物院を再び堪能できます。

いつ状況が変わるかわかりませんので、興味のある方は早めにご準備を

その1 宜興紫砂工芸廠(老一廠)について

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国営宜興紫砂工芸廠、通称「老一廠」は1955年に呉雲根、裴石民、任淦庭、王寅春、朱可心、顧景州、蒋蓉ら七大老芸人を中心として当時の民間制壺工と陶刻紫砂工たちが集まって創業しました。以来40年にわたり,あまたの国家大師、省大師、省名人や高級工芸美術師らを排出し,1997年には国営から民営に移行。

1997年以降の間の製品は輸出を含め次の4つに分類されます

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続く