切石 |
青田や巴林などを切り出したものですが,もう全く良い石は無く,青田,巴林とも雑分が大く入っていて,練習にもなりません。私は店に行ったら欲しい青田をすべて仕分けして良さそうなものだけ一箱に詰め替えて買ってきています。青田では,雑味がないもの。つまり黒やその他の混じりけがなく,青田色でなるべく純粋なもの。それから重要ですが,クラックが入っていないものを選ばないといけません。今は禁止されているそうですが,一時期ダイナマイトで粉砕していた時期があって,これはすぐに割れてしまいます。特に砂釘という鉄分の粒が多量に入っているものは,印刀がたちません。なるべく雑身のないものを選びましょう, |
新材 |
逆に新材と呼ばれる,各地の石が安価に入ってきています。遼寧省あたりの凍石や大根などが良く見あたりますが,いかんせん柔らかすぎて,良質の寿山や青田に比べるといかにも劣るものがおおいのですが,場所はわからないけれど,(おそらく福建省の他の場所)で,新優材が取れ,これは彫りやすく鑑賞にもたえます。 |
早期印 |
いわゆる文革時期に中国から大量に入ってきた石で,寿山が多く良質の石がたくさんあります。こまめに探せば,かなり安価に手に入れることができます。紺色の布製の箱に入っていて,一対であることが多いです。特に最近入手不可能な高山などがおおくあります。ただ,一対のものは,五分角など細いものが多いので,一寸ものなどはなかなかみあたりません。 |
古印(再利用) |
文革以前に入ってきた駄石を削って再利用するという手があります。これは,コンディションにもよりますが,古印であまり印面が良くないものや,側款のない無名名ものは,印面を削って再生して使うことがあります。もちろん名家の作品にそんなことはしません。 |
優材(古印・新印) |
古印,文革印,新渡の印ともに,いわゆる収蔵,鑑賞印というものがあります。まず,いわれのはっきりしたものであること。クラックや砂釘など雑味がないもの。紐や薄意などに西門派(これはあとで詳しく解説します)などの高級工芸美術師などが細工をしているもの。
特に明治期などに日本に入ってきて,刻されていないものでコンディションの良いものがあれば,即買いです。 |
名家作品 |
これは作家もので,一つは有名な篆刻家が彫った作品。知名度によりますが,茶壺同様贋物が多く,初学の方の手の出せるものではありません。
また上でも述べましたが,福州の東門地区,西門地区には,有名な紐や薄意の作家が多く,高級工芸美術史,工芸美術大師の称号を持っている作家も多くいます。こういう作品は,やはりほとんど流通しませんが,コレクション的には重要です。 |