寿山のメインストリート
 
寿山のご紹介をします。寿山は昌化,青田とならぶ印材の三大産地の一つです。歴史は古く,元代には農民の副業として採石されていたようです。
福建省の省都福州から車で小一時間ほどでつきます。予想外に近いという感じでした。

もう最近は良い石は取れないと言われていますが,まずはフィールドというのが私のもっとうなのでとりあえず見に行きました
 寿山石の歴史と現在
元・明 農民の副業として採石が始まる。印材というより彫り物を製作していた。
清初 発展期。康煕帝の時期には一時低迷するも,嘉慶帝の時期に再興。「観石録」が編纂され,最初の寿山石の体系が作られた。
1917年 年間3000万斤産出。坑道は140に及ぶ。
1937年 福建建設廠鉱業事務所開設。産量は豊富であったが,1940年頃から下降し,いわゆる良石は減ってきた。
1950年代 生産大隊が成立。高山,老嶺石を大量採掘。
1973年 軽工業部が寿山に33万元を投資し新たな坑道を開拓。1978年には年間100万トンを生産。
1988年 福州市鉱山資源開発管理事務所を設立。2000年には省令により,資源保護を開始。発破による採掘の禁止。坑道を,採掘禁止,制限区,可採区の3つに分けて管理。採掘は許可制になる。
内モンゴルの巴林と同様,総量規制となる。田黄畑は公園に・・・

田黄採掘跡

寿山石館
町というより集落という感じですが,寿山郷には寿山石館という博物館があります。現在寿山はリゾート地になっていてここは宿泊も可能なようです。館内は主な原石の展示と,高級工芸美術師ら名家の作品が展示されています。

石を売る店もありますが,寿山石はここから福州に運ばれ,市内で加工され製品となります。
福州市には大きく西門派と東門派と呼ぶ二つのグループがあって,西門派は印章の加工を行い,印紐や薄意などを製作。東門派は,飾り物を作ります。
展示品は写真撮影禁止ですが,福建美術出版社から中国寿山石という図録となって公開されています。
福州市内にはたくさんの寿山石を売る店があります。福州市には西門派など,職人が多くいるので寿山以外の印材もここにはこばれ加工されるようです。土曜には,印材のマーケットが開かれ,主として原石が販売されています。
加工され,製品となってものももちろんたくさんありますが,やはり現在の中国バブルの影響か,文人好みのものよりも,東門派の飾り物のほうがたくさんあって,これらは他の美術品同様,様々なプレゼント?として流通しているようです。
骨董街もありますが,古印材はほとんどありません。
特に田黄など一級品は全くなく,むしろ宜興同様日本のほうが,良いものに出会えそうです。

贈り物として,寿山は東門派の置物が主流
宜興同様,証明書がつきます。

寿山の原石を売る土曜市

結構人が出ています。