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潮州楓渓窯

広東省潮州市は最近では汕頭空港が整備され行きやすくなりました。
ここは、お茶では鳳凰単叢で有名な  山と、広東貿易陶瓷の生産地として名をはせています。
また潮州工夫茶の発祥の地でもあり、いわゆる汕頭壺の産地として今でもたくさんの茶壺を生産しています。


窯業概要
潮州市楓渓地区には今でもたくさんの陶磁器メーカがあります。多くは、福建徳化窯と同じように量産品の陶磁器を生産しています。
以前は、ヨーロッパ向けの高級磁器を生産していました。汕頭市博物館では、当時の優秀なヨーロッパ仕様の磁器を見ることができます。景徳鎮の生産を補う、あるいはコスト的に景徳鎮よりは安価に提供できていたのでしょうか、ヨーロッパ貴族の家紋入りの磁器などが展示されています。(常設展示ではありません)

汕頭市博物館

ヨーロッパ向けの陶磁器の展示*
 
楓渓窯

その現在を支えているのが楓渓窯です。



楓渓陶瓷研究センタ

楓渓窯の陶瓷市場(ボーンチャイナなどを売っている)
楓渓朱泥壺・・源興号 呉瑞全



楓渓朱泥壺(いわゆるスワトウ壺)

朱泥壺
実はスワトウ壺を訪ねたのは今回で二度目。前回はスワトウに行けば巡り会えるだろうと安易に考えて行ったため、販売店でこれを作っているところをみたいといったら「宜興」だと言い張られて、結局訪ねることができませんでした。
今回は楓渓地区であることを調べて行ったため、すぐにわかりました。ただし目的は清朝から続く名工房「源興号」に行くこと。そこで現地で聞きまくってなんとかたどり着けました。




当代 呉瑞全
老師

 呉先生は楓渓窯を代表する作家で高級工芸美術師。間近にお会いするとスワトウ壺といういわゆる倣宜興を作り続けておられる割には作陶が真摯で実に研究熱心な方でした。初対面、しかもノーアポなのにほぼ半日茶壺談義をつきあっていただきました。
   
   
   
 蓋を轆轤引きで引き出すのが特徴 



楓渓窯泥料


なんと宜興の(今は浙江省)紫砂も使って作陶しておられます
呉瑞全朱泥壺の特徴



バランスが抜群


水色が美しい

写真はすべて現地の泥料を使ったもの宜興の土も轆轤引きで制作します。最近台湾の   なども宜興の土を轆轤で引き上げています。宜興=タタラというのも最近は通じません。最初の特徴はとにかく水色が素晴らしいこと。水色というのは朱泥ができあがって透明感がありしっとりとぬれている様子を表す表現です。二つ目は工夫茶のために制作されているのむかしながらの水平壺を完璧に表現しているところ。制作は言うまでもなく一分の狂いもないきちっとした焼き上がりになっています。ちょっと楓渓窯にはまっています。息子さんの作品と合わせ3ついただいてきました。円安で結構つらかったです。






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