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アジア美術のコンテンツです。
とはいうもののアジアの焼き物ではなく,いわゆるエキスポートウエア(中国外銷陶磁)という中国陶磁でアジアに販売されたものについてまとめます。マルタバンなども含めようかちょっと迷っていますが・・・

時代によりサプライチェーンは変わってきますが赤い○の部分に現在でも博物館などで作品を見ることができます。
外銷瓷はそもそもペルシャやヨーロッパなどからのニーズが多く,遠くはエジプトや南米でも中国陶磁の標本が見つかっています。アラブ商人がヨーロッパ市場に高値で陶磁器・スパイス・絹・お茶などを売っていました。コンパスの搭載により南アフリカ経由でポルトガル,後にオランダ,イギリスが東インド会社を作り,様々なルートが整備されました。

■仲介貿易
 マラッカに拠点を置いた東インド会社は拠点に在庫を持ち仲介貿易を行っていました。インドネシアのジャカルタ近郊のオールドシティであるバタビアには東インド会社の跡地があり,陶磁美術館があります。
ここからが面白く,取引条件に応じてここで産地偽装製品とミックスされます。
そもそも明から海禁策をとっていて外国との貿易には時代ごとに複雑な手続きがありました。加えて海外ニーズをすべて景徳鎮や龍泉窯の純正品で供給するのは難しく,多段階で産地偽装品で「かさまし」します。
時代ごとに貿易形態は変わっていますが,学問でも無いのできわめておおざっぱに言うと,当時世界最先端の技術を持っていた景徳鎮ですが,内陸でもあり,特殊な方言を持っていた景徳鎮に直接アラブやヨーロッパ商人がオーダーに行くのは困難で,ざっくり言うと明時代は厦門や泉州という福建の港に駐在を置き,ここから中国の商人(商社)が景徳鎮との需給調整を行っていました。そうなると,福建省付近でコピー商品が作られかさ増しします。漳州窯や徳化窯などでコピー品を作ります。宜興製品を潮州でコピーします。底の深い外洋船は陶磁器で船自体を重くしないと危険なため,景徳鎮+福建省産でベトナムやタイのアユタヤ,マニラ,マラッカまで運びます。
アユタヤやマラッカなど仲介地点では,ベトナム産のコピー青花や,タイ産の青磁でさらにかさ増しされます。

■BTOと後絵
 現在でもそうですが商品には量産品(仕込み品)と注文品(オーダー品)があります。量産品は中国国内ニーズで量産された製品を海外にも輸出するケース。潮州や広東には陶器商があり芙蓉手など標準的なサンプルを店頭展示し外国人に販売していました。もう一つが仕様書に基づいて特別に生産するものです。さらにはイージーオーダーというのもあったようです。ここで単なるかさ増しとは違うニーズが出ます。ヨーロッパからの仕様書が今でも残っていますが時代が飛んでわかりづらいと思いますが,気にしないで下さい。メカニズムは同じです。ヨーロッパ貴族が自分の紋章をいれたディナーセットをオーダーしたとすると,色見本やデザインを都度景徳鎮に送り,できあがったサンプルをレビューし再度景徳鎮にフィードバックしているととてつもなくリードタイムがかかります。

ヨーロッパ向け外銷瓷

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