早期壷 その13 早期壷にあらず

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中国宜興款の朱泥倣壺で小さい12杯くらいのものです。

小さめの「倣壺」という形は現時点で第一工場のリストにありません。(大きい250cc超のものはあるようですが。)

ここは伏せますが,あるところの仕上げを見ると当時の仕上げとは明らかに異なる最近の処理がされています。よってこれは90年以降の新しいものであると思います。

「中国宜興」自体は老一廠の商標ではないと思われますので,これを贋物とかコピーとも言えず,ただの量産品といえます。

また最近流通している墨縁齊意堂,福記や王寅春款はほとんど最近の作ですが,款は個人作家・工房を示すので倣作(コピー)であると言えます。

早期壷 その12 田字髭中

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このタイプあまり認知されていません。中国宜興を篆書で田の字のなかに彫り込んでいます。中の字に二本旗が立っているタイプです。これを勝手に髭中と呼んでいます。

あと,蓋が盛り上がっていわゆる鉄兜といわれる蓋のタイプ。注ぎ口がアンバランスに大きいのは初期の「型」自体,金属板をカットして道路工事のカラーコーンのようにまるめた手作りで大きさが不統一であったため,大きい小さいがあります。この個体はアンバランスな注ぎ口となっちゃいました。実用的にはこの方が使いやすいです。